「私が悪いんだ」職場モラハラと気づかなかった理由と解決策

自分の反応を変えてモラハラを終わらせる教材が完成
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私は、2年間ほど勤めていた会社でモラハラだという事に全く気付かず、毎日精神的苦痛を味わいながら日々働いていました。
正社員雇用をされ、その職業にしては若く従業員の上の立場に就きました。初めは仕事を任された事に責任感を感じ、一生懸命会社のために、お客様のために働こう!と意気込んでいました。しかしそれは、3か月も経たずに心は打ち砕かれました。

私が初めに受けたモラハラは、「プライベートに関するモラハラ」でした。
入社して直後だったので、仕事以外にも私の事を知ろうと沢山声をかけてくれた先輩がいました。同い年ということもあり、その世代の話で盛り上がった中で少しずつ私生活の話もしました。とはいえ、私も秘密にしたいことはいくつかありますので、それは抜いて例えば趣味や休日の過ごし方等、本当に些細な私生活を話しました。
例えば、ゲームが好きだということだったり、休日は小説を読んでいること、好きなアーティスト等、本当にプロフィールに簡単に書けるようなものでした。
その日は、それだけで終わったのですが次の日出社すると社内の雰囲気がおかしいのです。私をちらちらと見ては、笑っているのです。何故だろうと思いながら先輩に挨拶をすると、「おはよう、Aさん」と笑いながら言われ私は驚きました。そのAさんという名前はSNSで使用している私のハンドルネームでした。
驚いている私にその人は「昨日、仕事帰り飲みに行ったんだ。楽しかった?」と聞いてきました。私は誰にもその予定のことを話していないのに、何で知っているのだろうと思っているとその人が私に携帯画面を見せました。
そこには、私が日常生活やゲームの感想等を書いているSNSが表示されていました。
何で知っているんだと問い詰めようとした時でした。
「昨日たまたま見つけちゃってさ。こういうの書く時は限定公開にした方がいいよ。うちって風通しいい職場だからさ、昨日話したことが全部広まっちゃうことなんてよくあることだよ」と、先輩は言った時に私はわざわざ探して、私の私生活が書かれたSNSを社内全体に広めた張本人だと気づきました。

それからは、私が書いた内容を読み上げられたり、本名ではなくハンドルネームで呼ばれ続けられました。「Aさんってこういうの好きなんだね、気持ち悪い」や「趣味悪いね」などと言われたりしました。流石に怒ろうとすると、「こういうのもネットに書くんでしょ?怖いなー」などと馬鹿にしてきました。
まさか趣味や休日の過ごし方を話しただけで、こんなことになるなんて想像もつかなかった私は、それ以降会社にはプライベートなことは一切話すことは止めました。そしてアカウントも消して、また新しくアカウントを作ったのですがそれも数か月後には何故かばれてしまい、その時にはもう会社に対して嫌悪感しかなかったので、特定されないようにたった一言「もうこの会社嫌だな」と書き込んだこともばれてしまい、翌日呼び出されてとても怒られてからはその会社にいる間はネットから離れました。
私がネットから離れても、会社では私の私生活を馬鹿にすることを言い続けました。やめてほしいことを伝えると、「事実であることは変わりないでしょ。大体そっちが話したんだから、悪いのはそっちでしょ」と言われてしまいました。

次に受けたモラハラは、「精神的な攻撃」でした。
仕事でミスをすれば、必ず「クズ」「バカ」「辞めてしまえ」と言われ続けました。また、私がミスをしていないのに「お前がいるから俺がミスをしたんだ」「お前とは働きたくない」と言われました。
何でそんなことを言うんですか、と聞くと「お前が仕事が全く出来ないからだ。これならアルバイトの方が仕事ができる。給料もらってるんだから、周りと同じくらい働いてみせろ」と怒鳴られました。
そこまで言われて、これ以上職場にはいられないと感じた私は働いて1年目で辞表を出しました。しかし、上司は「何の成果もないまま、辞めるの?うちには損失しかないよ。せめてその損失を取り返してからやめてくれないかな」と言われ、人手不足だったこともあり、やめられませんでした。
しかし、その間もずっと暴言の嵐でした。そして次第に私の思考は変化していきます。
「私が仕事ができないから、こんなことを言われるんだ」「私が全て悪いから、こんなに辛いんだ」と全て自分の責任であるように思ってしまいました。

そう思っている間は、「そう言われないように頑張ろう」と努力をしていました。しかし、暴言が無くなることはなく、寧ろ努力すればするほど仕事量が何故か増えていきます。
これが3つ目の「業務妨害」というモラハラでした。私が努力すればするほど、少しずつ成果が出ていくことに嫉妬した同僚が私に自分の仕事を押し付けて帰ってしまったり、私の担当している仕事を奪って自分の手柄にしました。押し付けられた仕事は、当時の私には出来ない内容ばかりで、結果出来なかったことにより私が上司に怒られているところを同僚が笑って見ていました。しかしそれでも「私が悪いから、皆に責められるんだ」と思っていました。

周りの友人が「それってモラハラじゃないの?」と心配して言ってくれたのですが、モラハラだと気づきませんでした。「私が悪いから言われているのに、何でモラハラになるの?」と友人に聞いてしまう始末でした。
会社にいても責められ、辞めようとしても責められ、SNSに愚痴を書くことも何もかもが許されない状況で、私は「この状況から逃げることは、してはいけないこと」と思い続けていました。

しかし、働き始めて2年目の時、私は過剰なストレスにより睡眠障害と食欲不振からの栄養失調により、会社で倒れました。そのまま病院に運ばれ、点滴を打ってもらっている間、医者に現状を話すと「それは立派なモラハラだよ」と伝えられました。その時、心が弱り切っていたこともあり医者に言いました。

「逃げることがとても怖いです。会社にいても責められて、dこかへ逃げても責められてしまう。その逃げた先でもきっと私は仕事が出来ないから責められるんです」
「自分の身を守るためには、逃げることも大切なんです。今はそう感じているかもしれませんが、今逃げないと死んでしまいます。言葉の暴力から解放されるには、自分の意識を変えること、そしてその環境から逃げることなんです」

そう言われた時に私ははっとしました。解放という言葉に涙があふれてきて、病院で情けなくも泣いてしまいました。

言葉の暴力は、とても危険なものです。目に見える暴力は避けたりすることは可能ですが、言葉は見えず、そしていつどこでどのタイミングで暴力となる言葉を受けるか予測もできず、避けることも出来ません。
どんな言葉でも、考え方によってはプラスに変えられます。しかし、その考え方を持ち合わせていない人がこの世界には沢山います。プラスに変えられる思考も、「自分の意識を変えること」に繋がります。
その時に私は「逃げるという選択肢が悪いこと」という「自分の意識を変えること」が大切なんだと気づきました。

そして倒れた翌日には、私は辞表をもって会社に行き病院の診断書と共に提出してそのまま辞めました。勿論、沢山の暴言は言われましたが私は「逃げることが正しいこと」という意識をしっかりと持つことを意識していたので、心が揺さぶられることもなく、すぐに会社を出ました。

その後は、しばらくの間は家にこもってしまい好きなことをして過ごしました。ゲームをし、小説を読み、好きなアーティストの曲を聴いていました。恐る恐る作ったSNSのアカウントで、自分の好きなものを、他のユーザーと話した時にとても解放感を感じたのを今でも覚えています。
現在は別な会社で事務職に就きましたが、未だに私生活の事に関しては誰にも話していません。しかし、少しずつ自分のことを話せるようにはなってきました。これも自分の意識を変えているからだと思います。

今現在、言葉の暴力を受けている方は大勢いると思います。
とても辛く、苦しいと思います。そんな方たちに伝えたいのが「逃げてもいい」ということです。
自分がもし、今ナイフを刺されそうになった時どうしますか?自分の身を守るために行動を起こしますよね。それと同じです。今、あなたはナイフで刺されそうになっています。殺されそうになっているんです。目に見えていないから、自覚がないかもしれませんが実際目に見えていたら、そのような状況になっているんです。
殺されたくなければ、死にたくなければ逃げましょう。追ってきても、頑張って振り切って逃げましょう。色んな方に頼っても大丈夫です。
自分が思っているより、世界って優しいです。

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