投影の悪用は凶器です。モラルハラスメントとして使われることもある。あなたは投影だと決めつけられたことはないですか?

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心理学用語の「投影」、耳にしたことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかしながら、残念なことに間違った使い方、言わば「投影の悪用」をしている方もいらっしゃいます。
「投影」とは何か、それを悪用することがどれだけ人を傷つけるのか、正しく理解して頂ければと思います。

投影とは

「目の前の人(物)は自分を映す鏡である」なんてフレーズを耳にしたことはありませんか?
それが「投影」です。
「自分のフィルター」と呼ばれることもありますね。
例えば夕焼けを見た時に「なんだか寂しそうだな」と感じる方もいらっしゃいますし、「なんて綺麗なんだろう」と感じる方もいらっしゃいます。
「寂しそう」と感じた方は、自分の中に寂しい気持ちを抱えていて、「寂しい」というフィルターを通して見るから「寂しそうだ」と感じ、「綺麗」と感じた方は「気持ちが良い」と感じていて、そのフィルターを通して見るから「綺麗だ」と感じるというのが、よく用いられる例です。
夕焼けという「物」に自分の気持ちを「投影」しているという例ですね。

その他にも、恋愛に関しての例が用いられることも多くあります。
例えば、「浮気」です。
浮気という概念を持っていない方は恋人の浮気を疑わず、浮気症の方や浮気をされて傷ついた経験をお持ちの方は恋人の浮気を疑うといった例です。
これは恋人という「人」に気持ちや経験を投影している例ですね。

このように、自分の気持ちや経験がフィルターとなり、フィルターを通して見ることで、その気持ちや経験が目の前の人や物に映し出されることを「投影」と呼びます。

上記の例を見て、どう思われましたか?
「そんなことないよ!」「納得がいかない」と思われた方もいらっしゃるかと思いますし、「なるほど、そうかもしれない」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
どちらも正解です。

「投影」とは自覚のない、無意識下の気持ちを目の前の人や物に映し出したものとされていますから、「本当にそう感じているのか」というのは何とも言いがたいところであり、専門家でもその見極めは難しいのです。

しかし、専門家でも見極めが難しいその「投影」を簡単に使うことで人を傷つけることもあります。
それが投影の悪用です。

投影の悪用とは

「目の前の人(物)は自分を映す鏡である」
前項の冒頭でも同じようにお伝えしましたね。
しかし、これが全てではありません。
また、「投影」とは自分の気持ちを知るため、自分を見つめるためのものですので、他人の言動を簡単に「投影」だと言ってしまうことは間違いなのです。

例えば、あなたが詐欺にあって傷ついていたとします。
その詐欺師のことは酷いと思いますよね。
「騙された!許せない!」などと口にすることもあるかもしれません。
その時「それは投影だよ。騙されたと思うなら、酷いと思うなら、それはあなたが詐欺師で酷い人だということだよ」
などと言われたらどうでしょう?
被害に遭って傷ついているところにそんなことを言われては傷が深くなりますよね。
これが、「投影の悪用」の例です。

「そんなこと言う人いるの?」と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、実際にこういった「投影の悪用」はされているのです。

無意識下にあって自分でも気付かないものを、何故他人が簡単に答えを出せるのでしょうか?
「目の前の人(物)は自分を映す鏡である」というフレーズをマニュアルのように全てに当て嵌めてしまっているからです。
繰り返しになりますが、「投影」は専門家でも見極めが難しく、また、全てに当て嵌まるマニュアルでもありません。
先程、「そんなことない」と思われた方も「そうかもしれない」と思われた方も、どちらも正解と申し上げたのは、「全てに当て嵌まるものではない」これが理由です。

間違った認識をしていたり、簡単に「投影」という言葉を使ってしまうと「投影の悪用」となり、とても鋭利な凶器として人を傷つける場合があります。

最後に

「私はあの人に嫌われている」
本当にそうですか?
あなたがあの人を嫌っているだけではないですか?
その気持ちを相手に「投影」してしまっているのではないですか?

このように、「投影」とは自分の気持ちを知るため、自分を見つめるためのものであり、他人に当て嵌めて「それは投影だよ」と簡単に言えるものではありません。

「投影の悪用」をしないこと、そして「投影の悪用」に惑わされないこと、その為に「投影」とはどのようなものなのか正しい知識を持って頂ければと思います。

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