いつもと変わらぬ日常生活。
でもそれは、普通の人たちが生活している世界と違う世界に生きる生活の中での日常生活。
私は朝、深い眠りから目が覚めた。
掛け布団が異常な重みを感じる中、全身の力を振り絞り、布団を捲る。
『また、朝が来てしまった・・・』
そう、私に取ってこの世界は耐え難いほどの苦痛を感じる世界なのです。
身支度を済ませ、重い足取りを他所に、学校と言う名の処刑台へと向かう。
『さぁ悩んでも仕方がない!元気を出して、私!』
学校が近づくにつれ、クラスメイトたちが目についてきた。
私は精一杯の作り笑顔で
『おはよう』
一人も反応がない。
いや、正確には一瞬だけ私を見て無言で流されてしまった。
ふぅっと溜め息をつき、私はそのまま教室に向かいます。
ガラガラガラっと教室のドアを開けると、思わず目を疑うような信じられない光景が飛び込んで来ました。
『え・・・?』
私の席の周りだけ、教室の天井まで高く積み上げられた段ボールの壁で囲われており、中は一切見ることもできないような状態になっているではありませんか。
その段ボールにはまるで悪魔の寄せ書きのような落書きで埋め尽くされている。
私は恐怖のあまり足が震えてきた。
朝のホームルーム開始のチャイムが鳴り担任の先生が教室に入ってきた。
顔色ひとつ変えず発した言葉。
『はい、着席するように』
つらい。
何故、教師ともあろう立場の方が何も言わないのだろうか。
私は壁に囲まれた席に下を向いたまま着席した。
今、私がいるこの世界はきっと悪い夢なんだ。
こんなことがあるはずがない。
そしてこのまま、いつもと変わりなく授業が始まった。
私の周りは段ボールで囲まれており黒板の字が全く見ることができない。
仕方がなく段ボールを取り除こうとした瞬間、クラスメイトの1名から
『先生、隣がうるさくて授業に集中できません』
『そうだな、少し静かにするように』
え?これは私がいけないの?
本当にそうなの?
当の昔に枯れたはずの涙が、静かに頬をつたい流れ落ちる。
つらい。
私の心はこれ以上支えていられる自信はない。
学校が終わり私は真っ直ぐお家へ帰宅しました。
私はようやく自分が自分らしくいられる本当の世界へ帰ることができる。
目の前にはキラキラと不気味に光る、でもとても綺麗な小物がある。
不思議と涙は出てこない。
『お父さん、お母さん。今からそっちの世界に行くからね・・・』
お風呂場に静かに流れるお湯の音が段々遠退いていく。
その時、誰かが私の耳元で優しく囁いた。
『お帰りなさい』
気を狂わせる虐待ガスライティングについて
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