「モラルハラスメント」というのは、暴力を振るわない陰湿ないじめや嫌がらせのことです。陰湿に行われるということもあり、主に家庭内で使われることが多い言葉です。似たような言葉で「パワーハラスメント(パワハラ)」という言葉がありますが、パワハラは他人がいる前でも平気で嫌がらせをしますが、モラハラは他人のいない所、ターゲットとなる被害者と一対一の状態で嫌がらせを行います。家庭内での嫌がらせと言うと、よく「ドメスティックバイオレンス(DV)」が語られることがありますが、DVとは異なり、モラハラの場合は手を挙げたり、暴力を振るうことは一切ありません。怒鳴り声を挙げることも稀であり、淡々と嫌味なことを言い続けたり無視したりと相手が嫌がるような態度を取り続けます。
先程主に家庭内で「モラハラ」という言葉が使われることが多いと書きましたが、モラハラは家庭内だけで行われているわけではなく、職場内や学校内、あるいは友人グループの間でも行われていることもあります。パワハラをする人とモラハラをする人の違いですが、モラハラをする人は自分の評判が下がることを恐れています。パワハラ加害者は誰が見ていても嫌味を言いますが、モラハラをする人は嫌味を言っているところを他の人に見られて、「この人は性格が悪い」と思われることを恐れるのです。そのため、他人がいない所で被害者に対してだけ嫌味を言ったり、嫌な態度を取るのです。
最近ニュースでよく聞くのは、「LINEいじめ」という言葉です。子供たちの間で今問題になっているそうですが、この「LINEいじめ」というものもモラルハラスメントに分類されるタイプのいじめになります。対面ではないものの、LINEでも一対一で行うことができるため、「キモい」「死ね」といった中傷を相手に送ることができます。
LINEにはグループ機能もありますが、グループ機能を使って集団でモラハラをしている場合もあるようです。モラルハラスメントを行う加害者は絶対に一人というわけではなく、数人がグループになっていることもあります。他の人から見たら、いつも一緒にいる仲良しグループにしか見えないのですが、他の人がいない場所では一人の人を中傷したり、集団で無視したりすることがあります。
家庭内や職場内、または仲良しグループ内であっても、いずれも陰湿的に嫌がらせを受けているため、被害に苦しんでいる人は誰にも気付いてもらえず、一人で抱え込んでしまうことがほとんどです。苦しんでいる時は、一人で抱え込まずに、気の許せる相手に話を聞いてもらうことも大事です。
気を狂わせる虐待ガスライティングについて
あなたの「言葉」と「URL」を残す。